コストと費用って同じものって思ってませんでしたか?
結構多いと思うんですよね。似てますからね。
そんなん知ってるわ、っていう人も意外と上手に説明できる人は少ないのではないでしょうか。
ということで、営業マンでもよく分かる財務会計教室。
いってみましょう。
コストと費用。なにがちゃうの?
今回もちょっと英語に頼ってみましょう。
コスト=Cost そのままやん。
費用=Expense うん、聞いたことある。
どっちも「支払い」に関係するから同じような気もしますが。。。
ではまず理解しやすいように例を挙げて考えてみましょう。
たとえば、自分がお店を経営しているとして、なにかモノを仕入れてみましょう。
1個 100円の商品を10コ仕入れたとします。
100円 × 10コ = 1,000円
1,000円の支払いが発生しました。この時点では。。。コストです。
費用。。。ではないの? まだ違いはよくわかりませんね。
では、この仕入れた10コのうち、8コが1つ200円で売れたとします。
売上: 200円 × 8コ = 1,600円
さて、前回「収益と利益の違い」のときにもでてきた式を思い出してみましょう。
売上 ー 費用 = 利益 でしたね。
売上から引かれるものは、費用Expenseでした。んー?
売れた分の商品は、1つ100円でした。800円(8コ×100円)です。
つまりこの時点で、コストが費用に転換したんです。
↑これ損益計算書、つまりはP/Lで表現されるものです。
P/Lには、Matching principleという原則があります。 それはなにかというと売上と費用を同時期にマッチングさせることで、期間の損益を明らかにしようというものです。
つまりは、この期間の売上と費用をマッチングさせることで800円の黒字、期間の利益が判明しました。
じゃ、売れ残った2コ、200円分はどうなるの?
それは、貸借対照表B/Sに在庫として表現されます。
↑ここね。
つまり、P/Lに計上されているものはExpenseで、B/Sに留まっているものはCostです。
仕入れたモノは、まずB/Sに商品(在庫)=資産として計上され、売れるとP/Lに費用として計上される。
これが流れです。そして違いです。期をまたいだ場合は、次期に費用として計上されます。
営業マンが使ったお金は?
営業マンが使った交通費などは、B/Sを経由することなく、即P/Lに費用として計上されます。 販売費および一般管理費と言われる部類のものですね。 これらのコストはその期間の売上実現に貢献しているため、発生した期間の費用として計上し、次期以降に繰り越さないことになっています。
今日のまとめ
・P/Lに計上されているものはExpenseで、B/Sに留まっているものはCost
・売れ残ったモノは、貸借対照表B/Sに資産のまま残る
・営業マンが使った交通費などは、B/Sを経由することなく、即P/Lに計上